公務員の退職祝いを準備するとき、「60歳の役職定年で贈るのか」「正式な定年退職まで待つのか」「再任用が終了して職場を離れるときに贈るのか」と迷うことがあります。
とくに自治体職員では、60歳で管理職を退いた後も勤務を続けるケースがあり、役職を退く日と、公務員としての勤務を終える日が一致しない場合があります。
消防職員、学校の先生、警察官、海上保安官でも、役職、配置、異動、再任用などによって、職場としての区切りが複数生まれることがあります。
公務員の退職祝いは、年齢だけで決めるものではありません。「何に対する感謝を贈るのか」「現在の職場を離れるのか」「今の仲間がそろって贈れる最後の機会はいつか」によって、適切な時期が変わります。
この記事では、役職定年・正式な定年退職・再任用終了の違いを整理し、どの節目で何を贈るとよいのかを判断するための基準を紹介します。
公務員の退職祝いはいつ渡す?最初に結論
公務員の退職祝いを贈る時期に、一律の正解はありません。
ただし、写真、勤務歴、歴任した役職、功績、表彰歴などを残す本格的な退職記念品を一度だけ贈る場合は、原則として正式な定年退職時、または再任用を終えて職場を離れる時が適しています。
一方、60歳の役職定年によって現在の部署や職場を離れ、今の部下や同僚がそろって感謝を伝えられる最後の機会になる場合は、役職定年時に贈ることにも十分な意味があります。
判断の基本は、次の3つです。
- 役職者としての功績をたたえるのか、公務員としての勤務全体をたたえるのか
- 本人が現在の職場に残るのか、異動または退職によって離れるのか
- 現在の部下や同僚が、次の節目にもそろって贈れるのか
年齢だけで判断せず、「誰が、どの功績に対して、いつ感謝を伝えたいのか」を整理すると、贈るべき時期が見えてきます。
公務員の退職祝いを渡す時期が分かりにくい理由
公務員の定年は、60歳から65歳へ段階的に引き上げられています。
その一方で、管理監督職では原則として60歳を基準とする役職定年制が設けられているため、役職を退く時期と、正式に定年退職する時期が異なる場合があります。
さらに、定年後に再任用で勤務を続けるケースでは、制度上の定年退職日と、実際に職場を離れる日も一致しません。
そのため、一人の職員に次のような複数の節目が生まれます。
- 60歳で管理職を退く役職定年
- 段階的に引き上げられた年齢で迎える正式な定年退職
- 再任用期間を終えて実際に職場を離れる日
とくに自治体職員では、役職定年後も同じ庁舎や別の部署で勤務を続けることがあります。制度上の区切りだけを見ても、退職祝いを贈る時期を決めにくいのが実情です。
なお、本記事では、定年後の暫定再任用を含め、定年後も勤務を続ける働き方を分かりやすく「再任用」と表記します。
職種、所属組織、役職、自治体の運用によって扱いが異なる場合があるため、最終的には本人の勤務予定や職場の慣例も確認しましょう。
役職定年・定年退職・再任用終了の違い
役職定年
役職定年は、管理職としての役職を退く制度です。
役職を退いた後も、公務員としての身分や勤務そのものが終わるとは限りません。同じ組織の別の職務に就く場合もあれば、別部署へ異動する場合もあります。
正式な定年退職
正式な定年退職は、定められた定年年齢に達し、いったん常勤職員としての勤務を終える節目です。
公務員として積み重ねてきた勤務歴全体をたたえる場合は、この正式な定年退職が最も分かりやすい贈呈時期になります。
再任用終了
正式な定年退職後も、再任用によって勤務を続ける場合があります。
定年退職時には大きな送別を行わず、再任用終了時に初めて職場を離れる場合は、その日が職場にとって実質的な退職の節目になります。
制度上の名称だけでなく、本人が現在の職場を離れるのか、勤務を続けるのかを確認することが大切です。
60歳の役職定年時に贈るのが適しているケース
役職定年は正式な定年退職ではありませんが、職場にとって大きな節目になることがあります。
現在の役職や部署を離れる場合
部長、課長、消防長、消防署長、校長、教頭、所属長などの役職を退き、現在の部署や職場を離れる場合は、役職定年時に退職祝いを贈る意味があります。
とくに現在の部下や職員が、その方の指導や功績に対して感謝を伝えたい場合は、数年後の正式な定年退職まで待つよりも、今のメンバーがそろっている役職定年時の方が適しています。
役職者としての功績をたたえたい場合
長年にわたり管理職として組織を率いたこと、困難な業務をまとめたこと、後進を育てたことなどをたたえる場合は、役職を退く時期が自然な区切りになります。
職場で送別会や退任式を行う場合
役職定年に合わせて送別会、退任式、慰労会などを行う場合は、花束や寄せ書きだけでなく、役職歴や功績を残す記念品を贈る機会にもなります。
自治体職員の役職定年祝いを検討している場合は、自治体職員の退職祝い・退職記念品もご覧ください。
正式な定年退職時に贈るのが適しているケース
役職定年後も同じ組織で勤務を続ける場合や、本格的な退職記念品を一度だけ贈る場合は、正式な定年退職時が基本になります。
公務員としての勤務全体をたたえたい場合
採用から定年退職までの勤務歴、異動歴、歴任した役職、功績、表彰歴などをまとめる場合は、正式な定年退職時が最も自然です。
役職定年後も同じ職場で勤務する場合
60歳で役職を退いた後も、同じ職場や近い部署で勤務を続ける場合は、役職定年時に大きな退職記念品を贈ると、本人が戸惑うこともあります。
役職定年時には花束や寄せ書きなどで一区切りを祝い、本格的な記念品は正式な定年退職時に贈る方法が分かりやすくなります。
組織として正式な退職式を行う場合
辞令交付式、退職者を送る会、退職式など、組織として正式な行事が行われる場合は、その日に合わせて贈ると、職員一同からの感謝を伝えやすくなります。
再任用終了時に贈るのが適しているケース
正式な定年退職後も再任用で勤務を続け、実際に職場を離れるのが数年後になる場合があります。
定年退職時に送別会を行っていない場合
定年退職後も勤務内容や職場がほとんど変わらず、定年時には送別会や記念品の贈呈を行っていない場合は、再任用終了時が最も自然な贈呈時期です。
再任用終了が実質的な最終勤務日になる場合
再任用終了によって初めて職場を完全に離れる場合は、本人にとっても同僚にとっても、その日が本当の別れになります。
再任用期間を含めた勤務歴を残したい場合
再任用期間中の仕事や後進への指導も含めて記念品に残したい場合は、再任用終了時まで待つことで、最後までの歩みをまとめられます。
役職定年と最終退職の2回に分けて贈る方法
役職定年と正式な定年退職のどちらも大切な節目になる場合は、贈り物を2回に分ける方法があります。
役職定年時は気持ちを伝える贈り物
役職定年時には、花束、寄せ書き、メッセージカード、記念写真など、役職を務め上げたことへの感謝を伝える贈り物が適しています。
正式な定年退職時は仕事人生を残す記念品
正式な定年退職時や再任用終了時には、写真、勤務歴、役職歴、功績、表彰歴、職場からの感謝の言葉などをまとめた本格的な記念品を贈ります。
2回とも高額な品物にする必要はない
同じ職場から2回贈る場合、両方を高額な品物にすると、集金する職員にも負担がかかり、受け取る本人にも気を遣わせることがあります。
役職定年時は感謝を伝える小さな贈り物、最終退職時は長年の歩みを残す記念品と役割を分けると、二つの節目を無理なく祝えます。
職種別に見る公務員の退職祝いの考え方
同じ公務員でも、職種によって役職定年後の働き方や、職場を離れるタイミングが異なります。
自治体職員
自治体職員では、部長・課長などの役職を退いた後も、同じ庁舎や別部署で勤務を続けることがあります。
現在の部下が役職者としての功績をたたえる場合は役職定年時、公務員としての勤務全体をたたえる場合は正式な定年退職または再任用終了時が適しています。
消防職員
消防長、消防署長、管理職などを退く時期と、消防職員として勤務を終える時期が異なる場合があります。
役職定年や配置変更によって現在の消防本部・消防署を離れる場合は、その時点までの功績をまとめて贈ることもできます。
学校の先生
公立学校の校長・教頭などが役職を退いた後、再任用教員などとして勤務を続ける場合があります。
校長・教頭として学校を離れる時は役職定年時、教員生活全体をたたえる場合は正式な定年退職または再任用終了時が適しています。
警察官
所属長や管理職を退く時期、異動によって現在の署を離れる時期、警察官として勤務を終える時期が異なる場合があります。
現在の署員や部下から贈る場合は、今のメンバーがそろっている時期を重視して判断します。
海上保安官
海上保安官では、管区、部署、船艇などの異動により、現在の仲間がそろって贈れる機会が正式な退官より前になることがあります。
現在の所属での功績をたたえるのか、海上保安官としての勤務全体をたたえるのかを整理して時期を決めます。
贈る時期に迷ったとき確認したい5つのこと
1.役職定年後も現在の職場に残るか
同じ職場に残る場合は、役職定年時に大きな退職祝いを贈るより、正式な定年退職時まで待つ方が自然なことがあります。
2.現在の部下や同僚が次の節目にもそろうか
異動や人事配置によって数年後にはメンバーが変わる場合は、現在の職員がそろっている役職定年時に感謝を伝える価値があります。
3.何に対して感謝を贈るのか
管理職としての功績に対して贈るのか、公務員としての勤務全体に対して贈るのかを決めます。
4.職場ではどの節目に送別会を行うか
役職定年、正式な定年退職、再任用終了のどこで送別会や退職式を行うのか、人事担当者や過去の幹事に確認します。
5.記念品にどこまでの経歴を入れたいか
役職定年までの功績を残すのか、再任用期間を含めた最終勤務日までの歩みを残すのかによって、制作する時期が変わります。
「栄光のあゆみ」を贈るならどの節目がよい?
「栄光のあゆみ」は、退職される方の写真、在職期間、勤務歴、歴任した役職、功績、表彰歴、職場一同からの感謝の言葉などを、金属銘板にまとめて残す退職記念品です。
花束や一般的な記念品とは異なり、その方が歩んできた仕事人生を形として残すため、贈る節目の選び方が重要になります。
本格的な記念品を一度だけ贈る場合
公務員としての勤務全体を残すなら、正式な定年退職時または再任用終了時が適しています。
役職定年で現在の職場を離れる場合
今の部下や同僚が、その方の役職者としての功績に感謝を伝えたい場合は、役職定年時に贈ることができます。
贈る時期を決めきれない場合
役職定年後の勤務予定、記念品に入れたい経歴、贈呈者名などを確認しながら、どの節目に合わせるかを相談できます。
贈る節目が決まった後は、送別会、退職式、最終出勤日など、実際に渡す日を決めます。詳しくは、退職祝いを渡すタイミングをご覧ください。
PUBLIC SERVANT RETIREMENT GIFT
役職定年も、正式な退職も。その方にふさわしい節目を形に
自治体職員・消防職員・学校の先生・警察官・海上保安官など、公務員として歩んだ勤務歴や功績を、写真とともに金属銘板へ残します。役職定年時と最終退職時のどちらで贈るか迷っている段階でもご相談いただけます。
栄光のあゆみの詳細を見る公務員の退職祝いに関するよくある質問
公務員の退職祝いは60歳の役職定年時に贈ってもよいですか?
役職定年によって現在の部署や職場を離れ、今の部下や同僚がそろって感謝を伝えられる最後の機会になる場合は、60歳の役職定年時に贈っても問題ありません。役職者としての功績をたたえる記念品として贈ります。
役職定年後も勤務を続ける場合、退職祝いはいつ贈りますか?
同じ職場や組織で勤務を続ける場合、本格的な退職記念品は正式な定年退職時または再任用終了時に贈るのが基本です。役職定年時には、花束や寄せ書きなどで役職を務め上げたことへの感謝を伝える方法もあります。
役職定年時と正式な定年退職時の両方で贈ってもよいですか?
両方の節目で贈っても問題ありません。役職定年時は花束やメッセージ、正式な定年退職時や再任用終了時は勤務歴や功績を残す本格的な記念品と、内容を分けると本人や職員の負担を抑えられます。
公務員の退職祝いを贈る時期は誰に確認すればよいですか?
人事担当者、所属部署の責任者、過去に退職祝いを担当した職員などへ確認します。本人へ直接聞きにくい場合は、役職定年後の勤務先や、職場で予定している送別会・退職式の時期を確認しましょう。
公務員の退職祝いは、年齢ではなく「感謝を贈る節目」で決める
公務員の退職祝いは、60歳だから必ず役職定年時に贈る、再任用を終えるまで必ず待つというものではありません。
役職者としての功績をたたえる場合は役職定年時、公務員としての勤務全体をたたえる場合は正式な定年退職時、実際に職場を離れるときに感謝を伝える場合は再任用終了時が候補になります。
現在の職場を離れるのか、今の部下や同僚が次の節目にもそろうのか、記念品にどこまでの勤務歴を残したいのかを確認し、その方と職場にとって最も納得できる節目を選びましょう。